知っトク!クレカまるわかり
クレジットカードへの「安心・安全」意識を検証
2017/02/24
今回は、内閣府が9月1日に発表した「クレジットカード取引の安心・安全に関する世論調査(※)」の結果を分析してみましょう。
注目すべきは世論調査のタイトルに「安心・安全に関する」という文言があること。つまりそもそもこの調査には「クレジットカードの使用には安全面で不安を持つ人がいる」という前提があるようで、ちょっと残念な気がしますね。
不安のタネは「不正利用」
最初の質問は「クレジットカードを積極的に利用したいと思うか」。これに対して「そう思わない」と回答したのが57.9%の人々。「そう思う」と答えたのは39.8%でした。
「そう思わない」と回答した人に対して「その理由」を聞いたところ、41.3%が「紛失・盗難により、第三者に利用されるおそれがある」、35.4%が「個人情報などがクレジットカード会社や利用した店舗などから漏洩し、不正利用される懸念がある」と回答しています。
つまり「不正利用されないか不安だ」という方が未だに多いことがわかります。
「磁気カード」と「ICカード」
また、「安全」に関してこんな質問があります。「磁気カード決済よりICカード決済の方が安全であることや、暗証番号の入力が安全だということを知っているか」。
ここでいう「磁気カード」とは「磁気ストライプのみのクレジットカード」のこと。「ICカード」とは「ICチップ付きのクレジットカード」を指します。
つまり「ICチップなしは情報がスキミングされる可能性がある」「ICチップ付きはスキミングされない」さらに「ICチップ付きは決済時に暗証番号を入力する」ので安全ですが、それを知っていますかという質問です。
ちなみに回答は「いずれも知らなかった」が44.5%で「いずれも知っていた」が37.2%でした。
ただし最近のクレジットカードはほとんどICチップ付きですし、暗証番号を入力するかどうかは店側が使用している読み取り端末の種類にもよりますから、正直言って「微妙な質問」という気がしないでもありません…。
窓口も補償もあります
さらにこんな質問が続きます。「クレジットカードの安心・安全な利用のために、今後政府に取り組んでほしいこと」。
最も多かった回答は「不正使用に関する取締りの強化(57.4%)」そして「セキュリティ対策の規制にかかる法整備(52.3%)」、「相談窓口の充実(30.2%)」となっています。
質問が「政府に取り組んでほしいこと」となっているのでこの回答は当然という気もしますが「クレジットカード会社側でも万が一不正利用された場合の相談窓口や各種補償をきちんと整備している」ことをもっと知っていただくように周知していかなければ、と痛感した次第です。
最初の質問に戻りますが、実は「(クレジットカードを積極的に利用しようと)思わない理由」のトップは「クレジットカードがなくても不便を感じない」で、なんと55.4%もの人がそう答えているのです。クレジットカードの便利さ、お得さもどんどん知っていただくように頑張らなければ!
(※)調査期間は2016年7月21~31日、調査方法は個別面接、有効回答は18歳以上の日本国籍保有者1,815人。