知っトク!クレカまるわかり
日本人の財布がパンパンな理由
2017/03/24
ちょっと前にご紹介した内閣府によるクレジットカード意識調査に続いて、今回は日銀の調査結果を検証してみましょう。
日銀が2月21日に公表したのは「BIS決済統計からみた日本のリテール・大口資金決済システムの特徴」というリポート。
「BIS決済統計」というのは「主要国や新興国の24カ国・地域で構成する国際決済銀行の決済・市場インフラ委員会が作成した決済システムに関する統計書」のことで、主要国・新興国と比較した「日本の決済の特徴」がわかるというものです。
そこで明らかになったのは「日本人は現金で支払いする割合が世界的に見ても突出して高い」ということでした。
例えばキャッシュレス化が進んでいるスウェーデンでは名目GDPに占める現金の流通残高がわずか1.7%なのに対し、日本はその11倍以上となる19.4%もあるそうです。
信用できる紙幣と治安の良さ
日本人が現金を好む理由として挙げられているのは「偽造紙幣が少ない」ことと「盗難のリスクが少ない」という点。日本では現金の信用性が高く(ニセモノだと疑うことがまずありませんよね)、治安も良いため現金を持ち歩きやすいのですね。
さらに、銀行へ預けておいても金利がほとんど期待できないため「家や財布に現金がある」→「それを使う」というシンプルな流れのようです。
でも電子マネーも好き
また一方で「クレジットカード、デビットカード、電子マネーなど各種カードの保有枚数は1人当たり平均で7.7枚」という結果も出ています。
これは調査対象の国の中ではシンガポールに次ぐ2番目の多さ。さらにその中で電子マネーによる決済額はなんと5兆1,436億円にものぼり、調査対象の各国平均を大きく上回っています。
日本人の保有枚数が多い理由のひとつとして日銀は「交通系電子マネーの普及」も挙げていますが、意外なことに先ほどご紹介した決済額に「交通系電子マネーの『乗車・乗車券購入』は含まれていない」そうです。
それでも各国よりかなり決済額が多いということは、日本人がいかに電子マネーを多くの場面で活用しているかがわかります。
日銀は電子マネー決済が多い理由の一つとして「発行体によるポイントの付加」を挙げています。「発行体」に「付加」…さすが日銀、表現が堅いですねえ(笑)。
少しでもポイントを多く取るなら現金もなるべく使わないでクレジットカードや電子マネーに切り替えたほうがいいのですが、やはりまだ「使い過ぎが心配」という声にも根強いものがあります。
だから財布はパンパン
日銀ではこの調査結果についてこうまとめています。
「人々の財布が、多くのカードで膨らみがち、といった姿が見てとれる」
「姿が見てとれる」というのがまた大げさというか堅いですが(笑)、「現金も電子マネーも好き」な日本人は、国際的にみて面白い存在なのかもしれませんね。さて、あなたの財布はどうですか?